長く生活していると、住まいには使っていないものがたくさん溜まってゆきます。
リビングのテーブルが物置のようになっている。
必要なものがすぐ見つからない。
クローゼットは、着ていない服でいっぱいで、今日着てゆく服を選ぶのも一苦労。
物が通路にはみ出して、移動も大変。
「こんな汚部屋から脱して、快適な暮らしを手に入れたい」
そんな願望をお持ちのあなたにオススメしたいのが「断捨離」です。
私は、60代になり、今まで「いつかやりたい」と思っていた断捨離にチャレンジし始めました。まだ道半ばですが、自分の日々の挑戦をブログで発信しています。
実際に始めてみると、断捨離には、住まいが片付くだけでなく、自分自身を変えてゆくような、すごい効果があることがわかりました。
この記事では、
① これからの人生を変えてゆく断捨離の5つの効果と、その理由
② 今すぐ始められる断捨離の具体的なステップ
③ 挫折しないで最後までやり遂げる秘訣
をお伝えします。
この記事を最後まで読んでいただくことで、長年の汚部屋を快適で安らげる場所に戻すために、断捨離をはじめよう、という気持ちになっていただけると思います。
1.そもそも断捨離とは?
もともと「断捨離」という言葉は、不要な物が入ってくるのを「断」ち、すでにある要らない物を「捨」て、物への執着から「離」れるという、ヨガの思想から来ています(沖 正弘、ヨガ総合健康法 上 沖ヨガの考え方と修業法、竹井出版、1976年)。
そして、身の回りの過剰な物を処分することにより、物を所有することによる束縛から解放され、自由で快適な生活を手に入れる、という考え方が、「断捨離」として作家の やましたひでこ さんによって提唱されました(やました ひでこ、新・片付け術「 断捨離」、マガジンハウス、2009年)。
この著書の大ヒットにより、断捨離という言葉が流行語となり、多くの断捨離本が出版され、断捨離に取り組む人が増えました。
さらに最近の終活ブームによって、「生前整理」として断捨離が再び注目されています(古堅 純子、定年前にはじめる生前整理 人生後半が変わる 4 ステップ、講談社、2017年)。
断捨離は、物を捨てるだけの単なる片付けではありません。その過程で物と向き合うことにより、自分が本当に好きなもの、自分が必要なものを見出し、本当になりたい自己を実現する、というスピリチュアルな目的が込められています。
2.断捨離の注目すべき効果5つ
断捨離によって、家がきれいに片付くのはもちろんですが、その過程で、自分自身を変えてゆくような効果が生じます。
① 自分を見つめなおすことができる
断捨離の過程で、自分が今までに所有してきた多くのものに改めて向き合うことにより、自分が本当に必要とするもの、本当に好きなものは何かが分かってきます。
また、断捨離をした結果、物に囚われた生活から解放され、自分の本当にやりたいことは何か、自分は何になりたいのか、という根本的な問いかけをする余裕が生まれます。
断捨離でなりたい自分を思い描きながら、少しずつでも成果が上がってゆけば、気持ちや行動が前向きになります。
➁ お金がたまる
断捨離をすることで、部屋が整理されると、必要なものがすぐに見つかるので、同じものを何度も買いなおす必要がなくなり、節約につながります。
また断捨離の過程で、自分に本当に必要なものは何か、が分かってくると、衝動や惰性で買い物をすることがなくなります。
また断捨離した後も、また物を増やしたくないので、計画的に買い物するようになり、家計の管理ができるようになります。
一方、断捨離の過程で、眠っていたブランド品や未使用の家電、書籍などが見つかれば、思いがけない高値で買い取ってもらうことも可能です。
➂ 時間にゆとりができる
もし部屋が整理されていなければ、必要な物を探すのに時間がかかり、精神的にもイライラが募ります。寝る前の探し物であれば、そのために睡眠時間が削られることもあるでしょう。
また朝の出勤前に必要なものが見つからなければ、余裕をもって仕事をすることもできなくなります。
在宅ワークをしている方であれば、自宅がきれいに整理整頓され、必要なものがすぐに取り出せる環境であれば、自然と仕事が捗り、その結果自由な時間が生まれます。
④ 健康的になる
物であふれた部屋は掃除が困難で、ハウスダストなどが溜まり、鼻炎、結膜炎、喘息などのアレルギー性の病気の原因となりえます。
雑然とした部屋で探し物をすると、物を見つけるのに時間がかかり、ストレスも溜まって精神的に疲れます。このようなストレスは夜まで持ち越され、睡眠が浅くなり、疲れが溜まります。長く続く睡眠不足は、高血圧、心臓病、肥満、認知症などの原因となる可能性があります。
断捨離することにより、住まいが清潔で安らげる場となり、健康的な生活を手に入れることができます。
⑤ 運気がアップする
風水の考え方によれば、物が家の中に大量にあると、気が滞り、運気がダウンすると言われます。いったん滞った悪い気は、更に悪い気を呼び込みます。
物を整理することにより、溜まっていた悪い気が外に出てゆきます。また玄関を片づけることで、新しい良い運気が家の中に流入してきます。
風水の考え方を別としても、断捨離の結果、気持ちが前向きとなり、経済的、時間的に余裕が生まれ、仕事が捗り、健康的になる、ということが続いて起きれば、運気が上昇するのも自然なことです。
3.断捨離の手順
断捨離の効果はわかったけれど、実際にどのように始めたらわからない、始めるのは億劫だ、と言う人のために、その手順をステップごとに説明してゆきます。
① 身の回りのものから始める
断捨離をするには、必要なもの、そうでないものを一つ一つ判断してゆかなければなりません。慣れないうちは、エネルギーも相当必要です。
途中で挫折しないためには、いきなり大きな物には手を付けず、引出しの中、本棚の一段、冷蔵庫の中など、限られた狭い範囲のものから始め、少しずつ判断力を養ってゆくことをお勧めします。
➁ 処分するルールを決める
あらかじめ、処分する基準を決めておかないと、捨てるか残すかの判断が、その日の気分でぶれることになります。いつまで経っても捨てられなかったり、逆に大事なものをその日の勢いで不用意に捨ててしまい、後悔することになりかねません。
1年間全く使わなかったものは処分する、など分かりやすい基準を設け、それに従ってある程度機械的に捨ててゆけば、精神的な負担も和らぎます。また、結果的に大事なものを捨ててしまったような場合でも、その基準を見直すことにより、同じような失敗を繰り返すことがなくなります。
➂ 場所ごとに分ける
最終的には、家全体を断捨離したいと思っていても、居間、キッチン、洗面所、玄関、トイレといったように、場所を区切って進めてゆくことが現実的です。さらに、物が大量に収納してある書庫や物置であれば、本棚ごと、区域ごとに更に分けることが必要です。
④ カテゴリーごとに分ける
場所が決まれば、本、洋服、食器、書類、食器などカテゴリーごとに分けましょう。
⑤ 処分するものを全部出す
特に分量が多い洋服などをまとめて断捨離したい場合は、休日などに時間を作り、必要なスペースを確保して、全部を広げてみるのが望ましいやり方です。自分が持っていた全体量を改めて認識しましょう。こんなにあったのか、と驚くことでしょう。一覧することによって、比較ができ、同じものが無いかどうかも、すぐにわかります。
⑥ 残すもの/処分するもの/保留に分類する
以上のように、場所ごと、カテゴリーごとに分けた後は、その中の一つ一つの物について、残すもの/処分するもの/保留 に分類してゆきましょう。
最終的には、残すか処分するかの一択ですが、すべて2分することにこだわると、判断に時間がかかったり、逆に、よく考えないで処分してしまい、後悔する事になります。迷う時は、いったん保留として、時間をおいて見直しましょう。
4.断捨離に失敗しないコツ
断捨離の効果は絶大ですが、それゆえに逆効果もありえます。途中で挫折しないために、また断捨離などしなければよかった、と後悔しないために、断捨離をする際の注意点についても説明します。
① 一気に終わらせようとしない
断捨離は、判断力と決断力を要する作業なので、一気に終わらせようとすると、大事な物を捨ててしまったり、疲れ切って作業を進める気力を失ってしまいます。場所ごと、カテゴリーごとに、決められた時間内に終わらせられる量を見積もってから始めましょう。
➁ 重要書類、思い出の品は慎重に
不動産などの権利書、保険証券、証明書、保証書などの重要書類は、捨ててしまうと大事な取引に支障が出たり、必要な保証が受けられなかったりします。処分すべき書類の間に挟まっていたりすることもあるので、一枚一枚慎重にチェックしながら処分する必要があります。
写真、手紙、子供の学校時代の作品などの思い出の品も、勢いですぐに処分せず、迷う時は、いったん保留として、時間をおいて見直すようにしましょう。
➂ 家族のものを勝手に処分しない
もう使っていないだろう、などと、家族の物を断りなしに処分してはいけません。人の持ち物の価値は本人にしか分かりません。本人にとって必要だった物を捨ててしまったら、家族との信頼関係が崩れてしまいかねません。
④ 使えるかどうかで判断しない
いつか使うだろうと漠然と考え、いつまでも取っておいても、使う日は来ません。今必要な物でなければ、買取業者の利用も検討し、処分しましょう。
⑤ 物を減らすこと自体を目的としない
断捨離が進むと、物を処分することに快感を覚え、何か捨てるものはないか、と常に探すようになります。いわゆる「断捨離依存症」です。物を捨てることで、ストレスを解消しているのです。生活を快適するために環境を整えるという、断捨離の目的から離れてしまいます。
5.断捨離後のアフターケア
以上お話ししたステップによって、場所,カテゴリーごとに断捨離を達成しても、油断していると、あっという間に元に戻ってしまいます。家全体を快適な場所にするという最終目標を達成するためには、以下のことを常に心がけましょう。
① 物の定位置を決めて守る
定位置を決めておかないと、物を使いたい時に見つからなくなり、探し物が増えてしまいます。下手すると、また同じ物を買ってしまうかもしれません。部屋が再び雑然となってしまわないように、物の定位置は必ず決めて、使った後は必ずもとに戻しましょう。
② 一つ買ったら、一つ処分する
断捨離をした後は、物の数を増やさないことが大事です。新しい物を買ったら、同じ数の古いものを手放す、というルールを守ることは、断捨離後のリバウンドを防ぐために非常に役に立ちます。
③ 買い置き、備蓄について
自然災害や、コロナ感染などのパンデミックに備えて買い置きをすることは必要であり、無理に断捨離をする必要はありません。備蓄は計画的に行いましょう。但し、その場の情報に踊らされての衝動的な買い置きは避けましょう。
6.まとめ
断捨離には、部屋が片付くだけでなく、①自分を見つめなおし、生活に➁経済的、➂時間的な余裕が生まれ、④健康的になり、⑤運気もアップする、という5つ効果があります。
断捨離の手順は、身の回りの物から手を付け、処分のルールを決め、場所ごと、カテゴリーごとに区切ります。その中で一つ一つの物を、残すか/処分するか/いったん保留として一定期間後に見直すか、を決めます。これを実践すれば、誰でも一歩一歩着実に、家全体の物の断捨離というゴールに向けて進むことができます。
失敗しないコツとして、一気に終わらせようとしない、重要書類と思い出の品は慎重に行う、家族のものを勝手に処分しない、物を減らすこと自体を目的としない、などがあります。
断捨離後は、一つ買ったら一つ処分する、などのルールを守ることにより、リバウンドして再び物が増えてゆくことを防ぐことができます。
断捨離の5つの効果を理解したうえで、手順にしたがって断捨離を実行に移し、長年の希望だった広々として快適な住まいを再び手に入れてください。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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